歯周病の急性発作とは?症状や対処法を解説
2025/03/20

こんにちは、甲府市の歯医者、降矢歯科クリニック 歯科・矯正です。
歯周病は、日本の成人の多くが抱える健康問題です。
ゆっくりと進行し、初期段階では明確な自覚症状が少ないため「静かなる病気」と呼ばれることもありますが、重症化すると歯を失うリスクがあり、進行することで急性の症状を引き起こすこともあります。
今回は、歯周病の急性発作について、症状や原因、対処法、予防法などを解説します。
歯周病の急性発作とは

歯周病は、歯周病菌の感染により歯ぐきや歯を支える骨に炎症を引き起こす病気です。
普段は慢性炎症の状態を保つため、痛みや不快感が生じることは多くありませんが、慢性的な状態が進行した際や何らかの刺激が加わることで、急性発作による症状が現れます。
例えば、体調不良や強いストレスを受けたときなどに炎症が急激に悪化し、歯ぐきに大きな腫れと強烈な痛みを伴うことがあります。
急性発作の症状

歯周病の代表的な急性症状は痛みです。
これは、歯ぐきが膿を含んだ大きな腫れによって圧迫されるために生じます。
痛みによって食事をはじめとした日常生活に支障が出ることも少なくありません。
また、痛みの原因となっている激しい腫れや膿、歯の動揺なども急性発作の症状として挙げられます。
歯周病が進行するにつれ、急性発作はより発生しやすくなります。
発作の痛みや腫れは膿が排出されることで2~3日で和らぐことが多いですが、歯周病の原因は歯と歯ぐきの間の歯周ポケットに潜む歯周病原菌です。
そのため、歯周病菌が蓄積している状態では同様の発作を繰り返し、また症状は悪化していく恐れがあります。
歯周病の急性発作を起こさないようにするためには、歯周病そのものの治療が不可欠です。
急性発作の原因
歯周病の急性発作が起こる根本的な原因は、歯周病の進行の放置や、口腔内の清掃状態の悪さです。
このような状態の場合、歯ぐきは腫れて赤みを帯びている状態であり、歯磨き中に歯ぐきからの出血が見られることもあります。
歯槽骨が損傷されていることで歯がぐらぐらと揺れたり、ものをかんだ際に痛みを感じたり、たまった膿によってひどい口臭が見られたりすることも少なくありません。
また、このような症状がそれほどない段階でも、ストレスや疲労、風邪などの全身疾患による免疫力の低下や、歯磨きや食事の際の物理的な歯ぐきへの刺激がきっかけとなることもあります。
歯科医院を受診できない場合の対処法
まずはお口の中を清潔に

歯周病の急性発作が起きた場合、できるだけ早めに歯科医院を受診して必要な処置を受けることが大切です。
しかし、すぐには歯科医院を受診できないこともあるかと思います。
そのような状況での対処法として、まず口の中を清潔にすることが非常に重要です。
歯周病菌は酸素の少ない環境で増殖するため、歯垢や歯石を放置していると細菌が増え、症状が悪化してしまいます。
歯垢はやわらかいうちであれば歯ブラシで除去することができるため、丁寧に取り除くようにしましょう。
一方で、歯石は硬く、歯ブラシでの除去は困難です。歯垢が歯石になりさらに症状が悪化するのを防ぐため、歯と歯の間や、歯と歯ぐきのすき間に蓄積した汚れは歯間ブラシやフロスを使って丁寧に清掃するようにしましょう。
痛みが強い場合は、患部を冷やす

患部に強い痛みがある場合は、その部位を冷やすことでも症状の緩和が期待できます。
炎症が起こると、患部は赤く腫れ、熱を持つことが多いため、冷たい濡れタオルやタオルで包んだ保冷剤を頬に当てて冷やすと良いでしょう。
また、痛みがひどく日常生活に支障をきたす場合、鎮痛作用のある市販薬を飲んでも問題ありません。
ただし、解熱鎮痛剤を使用することで一時的に痛みを和らげることはできますが、これは根本的な治療ではありません。早期に歯科医院を受診し、治療を受けるようにしてください。
急性発作時の注意点
急性発作が起きたときには、患部を直接触らないように気を付けましょう。
手には雑菌が多く付着しており、その状態で患部に触れてしまうと、炎症が悪化しかねません。
もう一つのポイントは、患部を温めないことです。
炎症があるときに患部を温めてしまうと、血流が促進され、痛みが悪化してしまう可能性があります。
温かい食べ物や飲み物の摂取、入浴や運動などで体全体の血流を良くすることも、症状の悪化を招く要因となります。
飲酒や喫煙も、特に急性発作中は避けてください。
アルコールの摂取は血流を促進し、歯ぐきの炎症を悪化させる可能性があります。
また、タバコに含まれる化学物質は歯ぐきを刺激し、炎症のリスクを高めることが知られています。
急性症状だけでなく、普段から健康的な口腔環境を保つためにも、アルコールは過剰に摂取しすぎないこと、禁煙をすることを心がけましょう。
急性発作時の治療法

歯周病の急性発作時には、歯科医院での治療が必要です。
歯科医院での治療では、まず歯周ポケット内の細菌や汚れをクリーニングによって取り除き、口腔内を清潔な状態に整えます。
また、セルフケアがうまくできていない場合や炎症により歯磨きをすることが難しくなっている場合などは、歯垢を効率的に取り除くためのブラッシング指導が行われることもあります。
炎症がひどく痛みが強い場合には、抗菌薬や抗炎症薬の処方が行われることもあります。
これらの薬物治療により、細菌の増殖を抑え、炎症を軽減することが目的です。
さらに、歯の揺れが大きく、かむことが困難な場合には、咬合の調整や一時的な歯の固定が行われることもあります。
まとめ

歯周病は初期段階では自覚症状が少ないため、見過ごされがちです。
しかし、その状態を放置し病気が進行したり、疲労や風邪によって免疫力が低下したりすると急性発作として症状が現れ、日常生活に大きな影響を及ぼすリスクがあります。
また、歯周病の進行が進むことで最終的には歯を失ってしまうリスクもあります。
そのような状態を避けるためには、歯周病の予防・進行の抑制に努めることが大切です。
丁寧なセルフケアを日常化し、定期的に歯科検診を受けることで、歯周病の進行予防に努めましょう。
特に、仕事や家庭での責任が増えセルフケアがおろそかになりがちな30代以降は、意識して歯周病ケアに努めることが大切です。
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