MFTトレーニング
- テレビを見たり、本を読んだりしている時、いつも口が開いている。
- ラーメンやうどん、お蕎麦などの麺類がすすれない。
- 食べ物をまるかじりしたり、食いちぎったりすることができない。
- 歯科検診で、不正咬合と指摘された。
- ほうれい線や頬のたるみが気になる
- 最近、口元が老けてきたように感じる。
- 顔が左右不均等で、ゆがんでいる
- 食事をしている時にむせるようになった。
- 食べ物が飲み込みにくくなった。
- 口から食べ物をこぼしてしまうことが多くなった。
MFT(口腔筋機能療法)とは、歯並びを取り巻く筋肉の働きを整えるための訓練法です。
歯は、内側からは舌の、外側からは唇や頬の筋肉の圧力を絶えず受けています。これらの筋肉の働きに偏りがあると、出っ歯、開咬などといった不正咬合を引き起こしてしまうことになります。
お口周りの筋肉のバランスを整えることにより、バランスのとれたお顔立ちとキレイな歯並びを作ることが期待できます。
当院では、専属の歯科衛生士が、患者さまの症状に合わせて最適なトレーニングメニューをご提案させていただいております。
このような方々におススメしております。
お子さまの場合
最近では、インスタント食品や加工食品など、柔らかくて食べやすい食べ物の普及により、食べ物をあまり噛まないで、すぐに飲み込んでしまう方が多くなってきました。
特にお子様の場合、小さなころから「噛む」という訓練をせずに育ってしまうと、顎の発育が不十分になって不正咬合を引き起こしたり、筋肉がしっかりと発達せずに口呼吸となってしまう傾向が強く、歯並びだけではなく、全身の健康にまで影響を及ぼしてしまう危険性があります。
当院では、不正咬合でご相談に来られたお子様には、矯正治療だけではなく、このトレーニングも同時に行うことをおススメしております。
お口周りのトレーニングを行うことで、歯をより動きやすくし、歯並びが元の位置に戻りづらくなる効果も期待できます。
成人の方の場合
頬や口元など、お顔のたるみは年齢とともに気になってきますよね。これは、顔の表情をつくる表情筋の衰えが最も大きな原因と考えられています。
舌や唇、頬やあごの筋肉を使わないとお口の周りの筋肉が衰えてリフトアップできなくなり、たるみが生じてしまうのです。
良く噛んで食べることももちろんですが、トレーニングで筋肉を鍛えることでより高いアンチエイジング効果を期待することができます。
高齢の方の場合
食べものや飲みものを飲み込む動作のことを「嚥下(えんげ)」と言います。
高齢になると、この嚥下のために必要な筋肉が衰え、機能が低下してしまうために、むせてしまったり、食べものや飲みものが飲み込めなかったり、食べこぼしたりすることが多くなる傾向があります。
また、嚥下機能が低下すると、誤って気管に入ってしまった食べものや飲みものを押し戻すことができず、食べものや唾液と一緒に細菌が肺に入り込み、炎症を起こしてしまう「誤嚥性肺炎」にかかりやすくなってしまいます。
肺炎は、現在日本人の死亡原因第4位という高い割合を占めている病気。さらに、入院を要した高齢患者の肺炎の種類を調べたデータでは、80歳代の約80%、90歳以上では95%以上が誤嚥性肺炎とも報告されています。
より健康で長生きするためにも、しっかりと噛んで食事をすること、お口の周りの筋肉を鍛えることは、とても大切なことなんです。
MFTトレーニングの流れ
トレーニングは、基本的にご自宅で行っていただくものが主体となるため、まだ小さなお子様の場合や高齢の方の場合、ご家族の協力が不可欠です。
継続して行っていただくことがとても大切ですので、時間を決めて一緒にトレーニングをしてあげるとよいでしょう。
STEP1、診断
まず、どんな舌癖があるのか、どの部分の筋肉が弱いのかなど、現在の状態を検査いたします。
STEP2、医院にてトレーニングの練習
状態に合わせて作成したトレーニングメニューを一緒に行い、トレーニングの練習をしてみます。
STEP3、ご自宅でのトレーニング
練習したトレーニングメニューをご自宅で行なっていただきます。
小さなお子様の場合はお母さまも一緒に、楽しみながら行うようにしましょう。
STEP4、改善具合をチェック
ご来院時にトレーニングの効果や癖の改善具合をチェックします。
改善されていた場合は次のステップに進み、新しいトレーニングメニューの練習をします。
STEP5、ご自宅でのトレーニング
同じように、新しいトレーニングをご自宅で行なっていただきます。
STEP4、5を繰り返し、癖や習慣の改善がされるまで行います
トレーニングには、患者本人の「やる気」が何より重要です。
MFTは、患者本人やる気と興味、保護者やご家族のご協力がとても大切です。
一般的には、MFTは小学校低学年から指導が可能と言われておりますが、これは8~9歳以下の患者の場合、治療の必要性をよく理解できていない場合も多くモチベーションを保つのが難しいとされているためです。
しかし当院では、患者本人のやる気と興味、保護者の協力が得られる場合には小学校入学前の患者さんであってもトレーニングを行い、実際に効果が得られています。
最初は簡単なレッスンや補助器具を使ったトレーニングから始め、目標の達成度に応じて徐々にレベルアップさせていきます。
受験や反抗期のために一時的にトレーニングが停滞する場合もありますが、焦らずに様子を見守りながら、患者本人のペースなわせて治療を進めることが大切です。
時期や治療法については一人ひとり違いますので、少しでも気になることがあればお気軽にご相談ください。