おとなの予防歯科
「治すこと」よりも「守ること」
私たちの⽬指す予防管理は、“できるだけ治療しないで済む未来”を守ることです。
⻭科医師による処置が必要な状態をつくらないよう、⻭科衛⽣⼠が中⼼となって患者さまと⼀緒に⼝腔管理に取り組みます。
⻭周病ってどんな病気?
⻭が抜ける原因は⽼化ではありません!
⻭周病は、知らないうちに⻭を⽀える⾻が溶けていく病気です。
⻭の表⾯にプラーク(⻭垢)が付着し、その中に⻭周病菌が増殖することによって⻭を⽀える⻭周組織や⾻を破壊し、⻭を失ってしまうこともあります。
⻭周病は痛みなどの⾃覚症状がないまま静かに進⾏していきます。
痛みや違和感などの⾃覚症状が出る頃には、⻭周病がかなり進⾏してしまっている場合がほとんどです。
そして、⼀度治療を⾏なってもメンテナンスやご⾃⾝でのケアをしっかり⾏わないと、再発しやすいのが特徴です。
気になった症状がなくても検査を⾏い、早期発⾒、早期治療が⼤切です。
⻭を失う原因の⼤部分が、⻭周病とムシ⻭が占めており、特に⻭周病は最⼤の原因になっています。
⻭周病の進み⽅
歯周病は、歯を支える歯ぐきや骨(歯周組織)が徐々に破壊されていく慢性の感染症です。
痛みがほとんどないまま進行するため、気づいたときには手遅れになることもあります。
以下では、歯周病の進行ステージをわかりやすく説明します。
歯周病の進み方(4 段階)

1. 健康な歯ぐき(正常)
ピンク色で引き締まっている
歯磨き時に出血しない
歯周ポケットは1~2mm

2. 歯肉炎(歯周病の初期)
歯ぐきのみに炎症がある状態
プラーク(歯垢)の蓄積により炎症発生
歯ぐきが赤く腫れる、出血しやすくなる
骨の破壊はまだない
適切なブラッシングとクリーニングで完全に治る段階

3. 軽度~中等度歯周炎
炎症が進行し、歯を支える骨(歯槽骨)が吸収され始める
歯周ポケットが深くなる(3~5mm 以上)
歯ぐきの腫れ、出血、口臭が出る
歯が少しぐらつくこともある
ここからは自然には治らない → 専門的な歯科治療が必要

4. 重度歯周炎
歯槽骨の大部分が失われ、歯が大きく動揺
歯ぐきが下がって歯が長く見える
膿が出る、強い口臭がある
食事がしづらくなる、咬合痛がある
置すると歯が自然に抜けてしまう
お⼝の健康から全⾝の健康へ
歯周病と全身疾患の関係は、近年の研究で非常に注目されており、口腔の健康が全身の健康に深く関係していることが明らかになっています。
歯周病は単なる“お口の病気”ではなく、慢性炎症性疾患として、全身のさまざまな病気に影響を及ぼします。
糖尿病、⼼臓病(⼼筋梗塞・狭⼼症)、脳卒中、誤嚥性肺炎、妊娠合併症(早産・低体重児出産)、⾻粗鬆症、慢性腎臓病など、⻭周病菌は様々な病気を引き起こします。
⻭周病を予防することは、全⾝の病気の予防に繋がります。
若年期からの予防管理が、未来の健康と医療費を守ります
近年では、⻭周病が糖尿病・⼼疾患・妊娠など、全⾝の健康に影響を及ぼすことが明らかになっています。
とくに20〜30代のうちから⼝腔内をコントロールしておくことは、健康寿命の延伸や⽣涯医療費の抑制に直結します。
当院では、若年層の予防管理にも⼒を⼊れており、「今のケアが、未来の安⼼につながる」と考えています。