口腔育成
『食べる・話す・呼吸する』お口の機能は全身の健康に影響します。
お口は「食べる」「話す」「呼吸する」という、生命の維持や成長に欠かせない大切な役割を担っています。
これらの機能は、栄養の摂取やコミュニケーションを通じて、心と体の発達を支え、人としての成長にも深く関わります。
当院では、こうしたお口の機能の発達を大切に考え、健やかな成長と豊かな人生の土台づくりをサポートするための3つの育成を行っています。
口腔育成とは?
『口腔育成』とは、子どもたちが虫歯のない健康なかみ合わせと歯並びを育むための取り組みです。
見た目の歯並びに関係なく、ほとんどのお子さまが対象となります。たとえば、乳歯がすき間なくきれいに並んでいるように見えても、永久歯が生えてくると顎のスペースが足りず、歯並びが乱れる可能性があります。
健やかな歯並びやかみ合わせを育てるには、小さな頃から顎の成長や口腔機能(噛む・飲み込む・呼吸する・発音・表情など)の発達を支えていくことが大切です。
お子さまがしっかりと「噛める・飲み込める・呼吸できる」ようになることは、将来の全身の健康にもつながります。
口腔育成は、ただの歯の問題ではなく、成長や生きる力を支える大切なステップです。
「口腔機能発達不全症」とは?
「口腔機能発達不全症(こうくうきのうはったつふぜんしょう)」という言葉を耳にしたことはありますか?
これは、「正しい姿勢」や「食べる・飲み込む・話す・呼吸する」といった、お口の大切な機能が十分に発達していない状態のことをいいます。
このような機能がうまく働かないことで、以下のような症状が現れる可能性があります
むし歯や歯周病のリスク上昇
歯並び・咬み合わせの乱れ
口呼吸の習慣化
睡眠の質の低下
集中力の低下、ADHD様の症状
姿勢や顔つきの変化
つまり、お口の発達の問題は「お口だけの問題」にとどまらず、全身の健康や発育に深く関わっているのです。

「加齢による口腔機能の変化のイメージ図」を見ていただくと、生涯の健康のための基礎は小児期に築かれ、年齢と共に口腔機能が下降していくことがわかるかと思います。
お子さまの様子をチェックしてみましょう!
以下の項目にチェックがつく場合、「口腔機能発達不全症」の可能性があります。
食べる・飲み込む
✅ くちゃくちゃ音を立てて食べる
✅ 食事中によく食べこぼす
✅ 噛まずにすぐ飲み込んでしまう
✅ 舌が前に出たり、舌で歯を押す
✅ よだれが多く、口元がいつも湿っている
話す・発音
✅ サ行やタ行などがうまく発音できない
✅ 滑舌が悪く、聞き取りにくいことがある
✅ 話しているときに舌が見えることがある
呼吸・口の癖
✅ お口がいつもポカンと開いている
✅ 鼻ではなく、口で呼吸している(口呼吸)
✅ 寝ているときにいびきをかく、口が開いている
姿勢・全身の様子
✅ 姿勢が悪い(猫背・前のめり)
✅ 食事中や勉強中に姿勢がぐらぐらする
✅ 風邪をひきやすい、アレルギー体質
1つでも当てはまった方は、ぜひ一度ご相談ください!
早期の気づきが、お子さまの健やかな成長につながります。
なぜ起こるの?
口腔機能発達不全症の原因はさまざまです。遺伝的な要因だけでなく、授乳の仕方、離乳食の進め方、姿勢、呼吸、生活習慣などが関係しています。また、舌や唇の使い方に問題がある場合も多く見られます。
早期発見・早期対応が大切です
口腔機能は成長とともに発達していくものですが、適切な時期に正しい機能が身につかないと、後から修正するのが難しくなります。
早期に気づき、必要なトレーニングや生活習慣の見直しを行うことが大切です。
当院での対応
当院では、「0歳からの3つの口腔育成」“食育” “息育” “足育”を大切に考えています。
赤ちゃんの時期からの「食べる」「飲み込む」「呼吸する」「話す」といったお口の機能は、将来の歯並びや姿勢、発音、集中力、全身の健康に深く関係しています。
「気づいたときがスタートのタイミング」です。
「まだ小さいから大丈夫かな?」と思う時期こそ、口腔育成のチャンスです。
ぜひ、気軽にご相談ください。お子さまの未来を一緒に育てていきましょう。
