知覚過敏が原因で虫歯や歯周病になることがある?知覚過敏のリスクを解説

      2024/10/20

こんにちは、甲府市の歯医者、降矢歯科クリニック歯科・矯正です。

虫歯や歯周病とともに多くの人を悩ませる歯の症状に、知覚過敏があります。
知覚過敏そのものは、抜歯や別の病気の原因になることはありませんが、それでも放置しておくことにはリスクが伴います。

虫歯や歯周病の原因、悪化につながることもある知覚過敏について解説します。

 

知覚過敏とは

知覚過敏とは、虫歯や歯周病などの病気がないにもかかわらず、歯に痛みを感じる状態を指します。
歯ブラシが触れた際や、冷たいものや甘いものを食べた際、風にあたった際などに一過性の痛みが生じます。
一過性のため、虫歯の痛みのように夜も眠れないほどズキズキと痛むということはありませんが、食事中や気温が低い時期には特に悩まされる患者さまが多くいます。

症状が出やすいのは、前歯の中心から左右それぞれの5番目までの歯です。
また、虫歯の場合は歯をたたいた際にズシンとした響くような痛みがありますが、知覚過敏の場合には響くような痛みはないことも特徴です。

 

知覚過敏の原因

知覚過敏は正確には象牙質知覚過敏症(ぞうげしつちかくかびんしょう)といいます。
象牙質は、歯の表面を覆うエナメル質の内側にある組織です。象牙質は受けた刺激を神経に伝達しますが、外側のエナメル質は硬く、刺激をシャットアウトしているため、通常は歯ブラシや風があたった際や冷たい食べ物を食べた程度では刺激を感じることはありません。

しかし、何らかの原因によってエナメル質でシャットアウトされるはずの刺激が象牙質にダイレクトに伝わってしまうと、些細な刺激にも痛みを感じる、知覚過敏と呼ばれる状態になります。
象牙質に刺激がダイレクトに伝わってしまう原因としては、加齢や不適切なブラッシングによる歯肉退縮、打撲などによる歯の破折、歯のすり減りによる象牙質の露出、エナメル質が溶けたことによる象牙質の露出、虫歯治療やホワイトニングの処置などが挙げられます。

また、そのほかの代表的な原因として、歯ぎしりや食いしばりがあります。
歯ぎしりや食いしばりが習慣になっていると、エナメル質に過剰な負担が習慣的にかかっている状態になり、傷や亀裂の原因となってしまうのです。
それにより象牙質に刺激がダイレクトに伝わってしまうほか、歯ぎしりや食いしばりにより神経が炎症を起こすことで知覚過敏を引き起こすこともあります。

 

知覚過敏を悪化させる原因

歯肉退縮が代表的な症状の一つである歯周病の方は、知覚過敏を悪化させやすい状況にあります。
歯周病が進行すると、歯ぐきが炎症を起こして退縮し、歯根部分が露出してしまうためです。
そのため、歯周病予防に励むことは、知覚過敏予防にもつながります。

 

知覚過敏を放置することによる、虫歯・歯周病のリスク

知覚過敏が直接虫歯や歯周病の原因になることはありませんが、知覚過敏症状があることで間接的に虫歯や歯周病の発症や悪化につながってしまうことがあります。
その大きな理由は、歯ブラシがあたっただけでも痛みが出るために、歯磨きなどのセルフケアが不十分になってしまうことです。
痛みがある部分のケアを避けてしまうために、その周囲に歯垢や歯石がたまり、虫歯や歯周病のリスクを引き上げてしまいます。

また、たまった歯垢や歯石の中に含まれる細菌が「象牙細管」と呼ばれる穴を広げることで、知覚過敏の症状も悪化します。
この象牙細管は歯髄につながっている穴であり、そこから刺激が神経に伝わることで、知覚過敏の症状を引き起こしています。
そのため、穴が広がって痛みが強くなると、痛みによりさらに歯磨きが難しくなるという悪循環を招いてしまいます。

 

知覚過敏の治療法

知覚過敏が疑われる場合、まずは問診と検査を行い、診断をします。その結果、知覚過敏だと診断された場合は、段階的に治療を進めていきます。
主にはじめに行われるのは、生活習慣指導です。生活習慣指導では、食事指導やブラッシング指導などが行われます。また、関連疾患の検査や、服用している薬に知覚過敏に影響を与えているものがないかどうかの調査をする場合もあります。

知覚過敏に対する処置としてまず行うことが多いのは、薬剤による歯のコーティングです。露出した象牙質をコーティング剤で覆うことで刺激が伝わらないようにするほか、薬剤に含まれているフッ素で再石灰化を促し、知覚過敏の改善を図ります。

薬剤コーティングで症状が改善しない場合には、シーリング・コーティング剤を使用してさらに強力に歯をコーティングしたり、レジンで歯を覆ったりし、症状の軽減を図ります。
また、歯ぎしりや食いしばりが知覚過敏の原因になっている場合には、マウスピースを使うこともあります。歯ぎしりや食いしばりの原因となるストレスや疲れをできるだけ解消できるようなアドバイスも行います。

これらの治療法以外に、レーザー治療や詰め物・かぶせ物の調整、神経やかみ合わせの治療を行う場合もあります。また、歯肉退縮の代表的な原因である歯周病が進行している場合には、歯周病治療も併せて行います。

 

知覚過敏の予防法

知覚過敏を予防するためには、セルフケアを見直すことが大切です。
歯磨きの際にゴシゴシと力強く磨いているのであれば、軽い力で丁寧に磨くように習慣づけましょう。
また、歯磨き粉にも気を付ける必要があります。市販の「ヤニとり歯磨き粉」や「ホワイトニング歯磨き粉」の中には、研磨作用が強いものが含まれています。
研磨作用が強すぎると、徐々にエナメル質まで削れて行ってしまう可能性がありますので、使用する量や回数を減らしたり、知覚過敏用の歯磨き粉に変更したりしましょう。

歯の表面を溶かさないために、口の中に酸をできるだけ残さないことも大切です。
例えば、炭酸飲料やスポーツドリンクなどは酸が多く含まれているため、習慣的に飲んでいる方は「酸蝕歯」になりエナメル質が溶けだしてしまうリスクがあります。また、セルフケアが不十分で歯垢や歯石がたまっている場合も、それらに含まれる細菌が酸を出し、エナメル質を溶かしていってしまいます。

 

まとめ

知覚過敏は、虫歯や歯周病と同様に日々の正しいセルフケアで予防することができます。
虫歯や歯周病から歯を守るためにも、知覚過敏を防ぐためにも、日々の丁寧なセルフケアを心がけましょう。
また、瞬間的だとしても歯が痛むことがあるという場合には、知覚過敏の可能性がありますので、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。

 



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