永久歯が生えてこない!?
こんにちは。甲府市の、降矢歯科クリニック歯科・矯正です。
「乳歯が抜けたのに、永久歯がなかなか生えてこないんです」
「他の歯は生え変わったのに、なぜか一本だけ抜けない乳歯があるんです」
よく、お母さまからこのようなご相談をお受けいたします。
乳歯から永久歯への生え変わりは、何かとトラブルが多い時期。これから一生使っていく歯にかかわることですので、生え変わりの時期が遅かったりすると不安になってしまう方も多いと思います。
ほとんどの場合はちゃんと自然に永久歯に生え変わりますが、左右の生え変わりの時期があまりに違う場合や、永久歯が抜けて何か月も乳歯が生えてこない場合などは、何かしらの処置が必要な場合もありますので、一度歯科医院で検査してもらうようにしましょう。
永久歯が生えてこない原因と歯科医院での対処法
永久歯が生えてこない原因としては、下記のパターンに分けられます。
- 歯茎が厚すぎて、永久歯がなかなか生えてこれない
- 邪魔な歯(過剰歯)があるために、永久歯が生えてこれない
- 生まれつき永久歯が存在しない(先天的に欠如している)
歯茎が厚すぎて、永久歯がなかなか生えてこれない
歯茎があまりにも厚すぎると、永久歯が生えてくるのに時間がかかる場合が多いです。
それでも、通常は1~2年もすれば自然に永久歯が生えてきてくれますが、定期的にレントゲンで観察をしても歯茎の中の永久歯に動きがみられない場合は、何かしらの処置をしてあげる必要があります。
多くの場合には、レーザーで少し歯茎を切り、永久歯が出てきやすい環境を作ってあげるとすぐに永久歯が生えてきますが、それでも永久歯に動きのない場合は、矯正の力を利用して歯を上に引っ張ってあげなければいけません。
また、外傷などで早くに乳歯が抜けてしまったなど、乳歯が抜けてから時間が経っている場合も、永久歯が出てこれずに埋伏しているケースが多いです。
その部分の歯茎が硬くなっているために永久歯が歯茎を突き破れずにいますので、その場合も同様にレーザーで処置をしてあげます。
邪魔な歯(過剰歯)があるために、永久歯が生えてこれない
過剰歯とは、本来生えてくるべき歯の数よりも多く存在する歯のことを言います。
過剰歯は上顎の骨の内部に埋まっている状態で存在しているケースが多く、痛みもないため気づかないとがほとんどです。
特に問題がなければ放置することもありますが、この過剰歯が存在することによって永久歯が生えてくるのを阻害したり、歯並びに影響を与えてしまったりするような場合は、骨の中に埋まっている過剰歯を取り除く必要があります。
過剰歯の摘出手術は当院でも日常的に行われている比較的簡単な手術ですが、深い位置に潜り込んでいる過剰歯の場合は全身麻酔が必要となる場合もありますので、まずはしっかりとした診査診断が必要です。
生まれつき永久歯が存在しない(先天的に欠如している)
もともと永久歯が存在しない「永久歯先天性欠如」の場合、生え変わるはずの乳歯が抜けず、そのまま残っていることがほとんどです。
通常は、下から永久歯が育ってくると、その永久歯が乳歯の根を溶かすために乳歯が自然と抜け落ちるのですが、永久歯がない場合は乳歯の根が溶かされずにいるため、乳歯が残ったままになるのです。
ただし、乳歯は虫歯になりやすいのと、少しずつではありますが根が吸収されていくので、20歳から40歳までには自然に抜けてしまうことがほとんどです。
将来的にはどうしても何かしらの治療が必要になってしまいますが、早く発見できればその分治療の選択肢が増えますし、治療も最小限に抑えることができます。
永久歯先天性欠如の場合の治療法
早期に発見できた場合は、まずはなるべく歯を長持ちさせるように、適切な予防処置と経過観察を行うことが基本です。
いずれ治療が必要になるにしろ、しかるべきタイミングまで乳歯に頑張ってもらう必要がありますので、より大事にケアをしてあげることが大切です。
早くに発見できていれば、親御さんや本人の意識はもちろん、歯科医師側の意識も変わります。引っ越しなどで医院を転院された場合も、担当の歯科医師や衛生士には先天性欠如のため永久歯がないことをしっかりと伝えておきましょう。
治療方法として考えられる選択肢は主に下記の2種類になります
A、適正なタイミングで乳歯を抜歯し、矯正治療を行う
矯正治療で歯を動かし、開いてしまったスペースを埋める方法です。
欠損部分以外の永久歯が生えそろったタイミングで欠損部分の乳歯を抜き、全体の歯並びと噛み合わせを整えるための治療を行います。
矯正治療を選択する場合、時期として最適なのは12歳~18歳ぐらいまで。10代であればまだ顎の骨も柔らかく、歯を動かしやすい状態にありますので、比較的短期間で治療を終えることが出来ます。
お口の中に人工の歯を入れないという意味では理想的な方法ですが、欠損の本数や上下のあごの状態によっては、健康な歯も抜歯をして上下のバランスを合わせなくてはいけないこともあります。
もともと歯並びが悪く矯正治療が必要な状態だったのであればこの時期に矯正を行った方が良いですが、歯並びや噛み合わせの状態が良い状態であれば、矯正によってわざわざ噛み合わせを崩してしまうのはとてももったいないと思います。
矯正による治療を検討するかどうかは、欠損の本数や部位、アゴや歯並びの状態などを総合的に見て判断する必要があります。
B、なるべく長く乳歯を使い、脱落してしまったら人工の歯(入れ歯・ブリッジ・インプラント)で補う。
お子様の歯並びや噛み合わせに問題がない場合は、こちらの方法を選択される場合がほとんどです。
乳歯をできるだけ大切に使い、自然に抜けてしまった段階で、その空いてしまった部分を補うための人工の歯を入れます。
歯科医療の発展により、現在は、天然歯と同じように噛めるインプラントやバネのない入れ歯など、高性能な人工歯もたくさんありますが、とはいえ人工物であることに変わりはありませんので、時間の経過とともに劣化していってしまいます。
入れるタイミングをなるべく遅らせ、最小限の治療にとどめるように管理することが大切です。
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