塩や重曹は歯磨き粉の代わりになる?歯磨き粉の役割と代用品について解説

      2024/12/20

甲府市の歯医者、降矢歯科クリニック 歯科・矯正

こんにちは、甲府市の歯医者、降矢歯科クリニック歯科・矯正です。

皆さんは、どのような基準で歯磨き粉を選んでいるでしょうか?
ホワイトニング作用や口臭予防作用で選んでいる方、パッケージや味で選んでいる方など、さまざまな方がいらっしゃるかと思います。
また、中には歯磨き粉を使わずに歯磨きをしている方や、塩や重曹を使って歯磨きをしているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、歯磨き粉の役割や代用品について解説します。

 

歯磨き粉の役割

歯垢を除去する
歯磨き粉にはいくつかの役割がありますが、その中でも大きいのが歯垢を除去することです。
歯磨き粉には、リン酸水素カルシウム、水酸化アルミニウム、無水ケイ酸、炭酸カルシウムといった成分が含まれており、これらは研磨剤としての役割を担っています。
そのため、何もつけずに磨くよりも効率的に歯についた汚れを落とすことができるのです。

歯垢をつきにくくする
また、歯磨き粉を使用して歯を磨くと、その後の歯垢の付着量が少なくなることがわかっています。
歯磨きをしてから24時間後の歯垢の付着率は、歯磨き粉を使用した場合としていない場合では3倍もの開きがあるとのデータもあり、歯磨き粉を使用することでお口の中をきれいな状態で維持しやすくなるといえます。

口臭を予防する
口臭の代表的な原因は、お口の中に残った食べかすや歯垢、細菌などです。そのため、歯磨き粉を使って口内の汚れをきれいに落とすと、口臭の軽減・予防につながります。
また、口臭を予防するためには舌も清潔に保つことが大切です。
ただし、舌を磨く際には通常の歯磨き粉を使用するのは避けたほうがいいでしょう。通常の歯磨き粉では刺激が強すぎる可能性があり、舌を傷つけてしまう恐れがあります。
舌を磨く際には、舌専用のブラシと舌専用のクリーナーを使うか、舌専用のブラシのみを使用するのがおすすめです。

歯の白さを保つ
食べ物や飲み物には、歯の色素沈着を招く成分が含まれています。
そのため、それらの飲食物の成分が口内に残ったままでは、歯の白さが損なわれてしまいます。歯磨き粉を使い歯垢や食べかすを除去することは、そういった色素沈着物を取り除き、歯の白さを保つうえでも役立ちます。
ホワイトニング作用を謳っている歯磨き粉とそれ以外の歯磨き粉の主な違いは、ポリリン酸ナトリウムやポリエチレングリコール、ハイドロキシアパタイトなどの成分が含まれているかどうかです。
これらには、ステイン(着色汚れ)を除去する作用やたばこのヤニを浮かして落とす作用などがあります。
歯科医院で行われるホワイトニングに使われる過酸化水素は歯磨き粉では使用できないため、現状の歯の色をさらに白くするということはできませんが、歯の汚れを落として美しさを保ちやすくすることができます。

歯の再石灰化を促す
多くの歯磨き粉には、フッ素が含まれています。フッ素は、歯から溶け出したカルシウムやリンなどの再石灰化を促し、歯質を強化する作用があります。
特に生えたばかりの乳歯や永久歯に作用を発揮しやすいため、お子さんの歯磨き粉によく用いられています。

 

市販の歯磨き粉の種類

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市販の歯磨き粉には、医薬部外品と化粧品の2つの種類があります。
化粧品に分類されている歯磨き粉は、研磨剤や発泡剤といった基本成分のみで構成されており、歯磨きの洗浄作用を高めるために使用されます。
それに対し医薬部外品の歯磨き粉は、基本成分に加えて薬用成分が含まれています。
そのため、歯質強化や再石灰化の促進、抗炎症作用や殺菌作用といった働きを利用し、口内の洗浄だけでなく口内の健康維持のためにも使うことができます。

また、形状での違いもあります。
一般的にイメージされる歯磨き粉はペースト状であり、泡立ちの良さや爽快感が感じられます。
そのほかには、粘着性が高く細かい部分にも成分がいきわたりやすいジェル状、同じく口内全体に成分がいきわたりやすく粘膜を傷つける心配の少ない液体状、粉タイプ、泡タイプなどがあります。

 

歯磨き粉の代わりになるもの

市販の歯磨き粉の中にも塩を含んだものがあり、「塩は歯磨き粉として使える」という話を聞いたことがある方もいらっしゃるかと思います。
しかし実際には、塩を使うことのメリットよりもデメリットのほうが大きいと考えられます。
塩には殺菌作用や唾液の分泌作用がありますが、汚れを落とす研磨剤としての作用はほとんどなく、歯や歯ぐきを傷つけてしまうリスクも大きいためです。
塩による歯ぐきの引き締め作用や殺菌作用を得たい場合には、塩を含んだ歯磨き粉を使うのがいいでしょう。

 

重曹

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重曹は炭酸水素ナトリウムが主成分であり、これは歯磨き粉にも使用される成分です。
そのため、歯磨き粉の代わりになるようにも感じますが、塩と同様にデメリットがあるためおすすめはできません。
重曹は研磨剤としての作用が強く、歯磨き粉として使用すると歯を削ってしまう恐れがあるからです。
また、炭酸水素ナトリウムはアルカリ性のため、口内がアルカリ性に傾くことで歯石ができやすくなるというリスクもあります。

 

何もつけずに歯を磨いた場合

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歯磨き粉は、歯磨きの際に必ず使わなければならないものではありません。
歯磨き粉を使用しないで歯を磨くことには、「歯磨き粉の爽快感に惑わされずに歯をしっかりと磨くことができる」「研磨剤によって歯が削れるのを防ぎやすくなる」といったメリットがあります。
特に、歯磨き粉を使うことで歯磨きがおろそかになっている可能性がある場合には、歯磨き粉を使わない歯磨きを試してみるのがおすすめです。

デメリットとしては「歯磨き粉に含まれる薬用成分を得られなくなる」「歯の汚れを落としづらくなる」ことなどが挙げられます。
前述したように、歯磨き粉には研磨作用や再石灰化作用、抗炎症作用などが含まれているため、これらを効率的に取り入れられることは、歯磨き粉を使用する大きなメリットといえます。

 

歯磨きが難しい時のセルフケア

甲府市の歯医者なら、降矢歯科クリニック 歯科・矯正

体調や環境によって、歯磨きをするのが難しい時もあるかと思います。
しかし、だからといって何もしないでいれば、虫歯や歯周病、口臭のリスクは高くなります。
そのようなときは、「うがいだけでもする」「キシリトールガムをかむ」「マウスウォッシュを使用する」など、できることをするようにしましょう。
市販されている歯磨きシートは、水がない場所でも使えるため、長時間の移動中や災害時などにも活躍してくれます。

 

まとめ

毎日何気なく使っている歯磨き粉にはいろいろな種類があり、歯を健康に保つためのさまざまな成分が含まれています。
「いつも何となく選んでいた」という場合には、ぜひこれを機会に成分や形状にも着目し、より自分に合う歯磨き粉を選んでいただければと思います。

 



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