インプラントをしないほうがいいケースはある?注意点や対策について
こんにちは、甲府市の降矢歯科クリニック 歯科・矯正です。
天然歯のような見た目とかみ心地を目指すことができるインプラント。
しかし、外科手術を伴う治療であり、保険が適用されないため、興味はあっても二の足を踏んでしまう方は多いかと思います。
この記事では、インプラント治療で後悔しないために、インプラント治療のリスクやデメリット、しないほうがいいケースや対策を解説します。
インプラントとは
歯科におけるインプラント治療とは、顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上からかぶせ物を取り付けることで、失った歯の機能を補う治療法です。
- 天然歯と構造が似ており、しっかりとかめる
- 金具などが見えないため、見た目が自然
- 健康な周りの歯を削ることなく、治療ができる
上記のようなメリットがあります。
入れ歯やブリッジよりも天然歯に近く、健康なほかの歯を傷つけないことがインプラントの大きなメリットです。
インプラントのリスク・デメリット
失った歯の機能を取り戻しつつ、健康なほかの歯を守れるインプラント治療ですが、治療にはデメリットもあります。
- 治療費は基本的に全額自己負担であること
- 外科手術を伴うこと
- 治療期間が長いこと
- アフターケアやセルフケアを続ける必要があること
また、インプラントは虫歯にはなりませんが、ケアを怠っているとインプラント周囲炎になるリスクがあります。
インプラントをしないほうがいいケース
では、インプラント治療は、どのようなケースには向いていないのでしょうか。
まずは、インプラント治療を選択することが難しいケースをご紹介します。
別の病気を患っている
インプラント治療は外科手術を伴うため、身体的状況によっては治療を受けることができません。
具体的には、血小板減少症や白血病などの血液疾患や放射線治療が必要な疾患を患っている場合などは、治療による危険性が非常に高いため治療はできません。
また、心筋梗塞などの心疾患、高血圧症、糖尿病、腎疾患、肝臓病などを患っている場合も、治療が難しくなります。
薬をきちんと服用できており、症状がコントロールできている場合には治療が可能なこともありますが、その場合もかかりつけの医師の判断をしっかりと仰ぎ、定期的な検査を受けながら治療を進める必要があります。
顎の骨が少ない
インプラント治療では、顎の骨に人工歯根を埋め込むため、埋め込むための骨量が少ないと治療ができないことがあります。
骨の再生を促すGBR法(骨誘導再生療法)や、サイナスリフト・ソケットリフトなどの骨造成術に対応している歯科医院では、骨が少ない場合にも治療が可能になることがあります。
重度の歯周病を患っている
重度の歯周病を患っている場合は、インプラント治療はおすすめできません。
インプラント治療を行っても、インプラント周囲炎を発症するリスクが高いためです。
インプラント周囲炎は、インプラントの周辺が炎症を起こす病気です。
歯周病と同様に初期にはその症状に気づきにくく、重症化すると細菌感染により顎の骨が溶かされていきます。
歯周病よりも進行が早いという特徴があるため、気づいた時には重症化しているということも少なくありません。
せっかく埋め込んだインプラントはもちろん、周囲の歯も抜け落ちてしまうリスクがあるため、歯周病を患っている場合にはまず歯周病をしっかりと治療し、日々のメンテナンス方法を見直したうえでインプラント治療を検討する必要があります。
注意が必要なケース
次に、インプラント治療を受けるには注意が必要なケースを解説します。
タバコを吸っている
喫煙は、タバコに含まれるニコチンにより血流を悪化させます。
血流の悪化は、抵抗力が低下することによるインプラント周囲炎の発症リスク、骨とインプラントを融合させる手術におけるリスク、術後の傷の治りが遅くなるリスクなどにつながります。
そのため多くの歯科医院では、少なくとも治療期間中は禁煙を徹底することを条件にしており、場合によってはその後も禁煙を続けることに了承した場合にのみインプラント治療を行っている歯科医院もあります。
若年層
骨の成長が続いている若年層の場合は、埋め込んだインプラントが成長に伴って埋没してしまう可能性があるため、インプラント治療をすることができません。
骨の成長期間には個人差がありますが、一般的には20歳前後で成長が止まるため、その時期まで待つ必要があります。
金属アレルギーがある
インプラント治療では、金属の一種であるチタンが使われます。そのため金属アレルギーがある方は、インプラント治療を受けることができません。
ただし、チタンではなくジルコニアを使ったインプラントであれば、金属を使用していないためインプラント治療を受けることができます。
対策が必要なケース
下記のような場合は、治療後のリスクを抑えるために、事前に対策を行っておく必要があります。
セルフケアがおろそかになっている
まずは、日々のセルフケアの習慣がない場合や、セルフケアの方法に問題がある場合です。
前述したように、インプラントもケアを怠れば、周囲に汚れがたまり、インプラント周囲炎になってしまいます。
せっかく入れたインプラントが抜け落ちてしまう可能性があるため、セルフケアがきちんとできていない方にはおすすめできません。
歯を失った原因が虫歯や歯周病なのであれば、日々のケアがうまくできていないなど、何かセルフケアに問題があるはずです。
多くの歯科医院では、患者さんの生活スタイルや口内の状態に合わせたブラッシング指導を行っていますので、まずは正しいセルフケアの方法を身に着けてからインプラント治療を検討しましょう。
定期的に歯科医院に通うことが難しい
また、インプラントを長持ちさせるためには定期的な歯科医院でのメンテナンスが欠かせません。
患者さんの状態に合わせて、2カ月~半年に1回の頻度で通院することが求められます。
そのため、治療後に定期的な通院が難しい場合も、インプラント治療を受けるのは避けたほうがいいでしょう。
治療後のメンテナンスでは、人工歯根とかぶせ物に破損や動揺などの不具合はないか、インプラント周囲炎になっていないかなどをチェックするほか、インプラント部分を中心としたお口のクリーニングを行います。
治療後に後悔しないために気を付けること
長い時間や少なくない治療費をかけて治療を行ったのに、治療後にトラブルがあったり、インプラント周囲炎になってしまったりしたら元も子もありません。
そのような後悔を避けるために気を付けておくべきことを解説します。
不安や疑問がなくなるまで説明を受ける
治療を受ける前には、インプラント治療についての説明をしっかりと受けましょう。
治療法や費用、期間はもちろん、メリットやデメリット、治療後のメンテナンス法、ほかの治療法との違い、使用する機材などに至るまで、不安や疑問を残さないようにしておくことが大切です。
また、説明が不十分だったり、治療の流れや方法に不安があったりする場合には、いくつかの歯科医院で話を聞いてみてもいいでしょう。納得のいく状態で治療を受けることが、後悔のないインプラント治療につながります。
ほかの治療法と比較検討する
失った歯を補う治療法としては、インプラント治療のほかに入れ歯やブリッジもあります。
費用や治療期間、周りの歯への影響、取り外しの可否、清掃性など、それぞれに違いがあり、メリットやデメリットも異なります。
治療を受ける方の年齢や生活スタイルによっても合う治療は異なりますので、ほかの治療法と十分に比較検討しましょう。
定期的な通院・セルフケアの習慣をつける
お口の健康を保ち、インプラントを長持ちさせるためには、定期的な通院とセルフケアの両方が欠かせません。
現時点でそれが難しいと感じる場合には、まずはその習慣を身に着けてから治療を検討することをご検討ください。
まとめ
インプラント治療は、見た目やかみ心地だけでなく、残存歯を守るという点から見てもメリットのある治療法です。
持病がある方などは治療ができないこともありますが、セルフケアや定期的な通院などの習慣は今からでも変えていけます。
どの治療にもメリットとデメリットはありますので、よく考えて自分に合った治療法を選びましょう。
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