初期虫歯の再石灰化が起こりにくい人にはどんな特徴がある?生活習慣や口内環境を解説
2026/07/20
こんにちは、甲府市の歯医者、降矢歯科クリニック 歯科・矯正です。
「虫歯ができたら、歯を削って治療をする」というイメージをお持ちの方は多いかと思います。
しかし、実は初期段階の虫歯であれば、歯を削らずとも再石灰化によって修復される可能性があります。
今回は、再石灰化の基礎知識や再石灰化が起こりにくい人の特徴について解説します。
再石灰化とは
再石灰化とは、歯のエナメル質から失われたミネラル成分が、唾液中のカルシウムやリンによって再び歯に戻る現象です。
歯の表面は常に脱灰と再石灰化を繰り返しており、このバランスが保たれていることで健康が維持されています。
しかし、頻繁に糖分を摂取したり、口腔内が酸性に傾く時間が長くなったりすると、脱灰が再石灰化を上回り、虫歯が進行していきます。
再石灰化が可能な範囲
再石灰化によって修復できるのは、初期段階の虫歯です。
エナメル質に穴が開いてしまっていたり、象牙質まで虫歯が達していたりする場合は、再石灰化による修復は期待できないため、削って詰め物やかぶせ物をする処置が必要になります。
再石灰化が起こりにくい口内環境
唾液分泌量が少ない
唾液には、カルシウムやリンといったミネラル成分が含まれており、これらが歯に供給されることで再石灰化が起こります。
そのため、唾液の分泌量が少ない方は、このミネラル供給が不足するため、再石灰化が起こりにくくなります。
唾液の質が低下している
唾液の質も、再石灰化に影響します。
例えば、唾液が持つ酸を中和する力が低下していると、口腔内が酸性に傾きやすくなり、再石灰化が起こりにくくなります。
また、唾液中のカルシウムやリンの濃度が低い場合も、十分な再石灰化が期待できません。
口腔内のpHが酸性に傾きやすい
歯のエナメル質はpH5.5以下になると溶け始めるため、この状態が長く続くと脱灰が進行します。
食事の回数が多い、酸性の飲み物を頻繁に摂取する、口内が乾燥しているといった状態では、口内が酸性に傾きやすく、再石灰化が起こりにくくなります。
歯垢が多い
歯垢は細菌の塊であり、歯が歯垢に覆われていると唾液が歯の表面に届かないため、再石灰化が起こりにくくなります。
また、歯垢内の細菌は継続的に酸を産生するため、脱灰が進行しやすくなります。
再石灰化が起こりにくい生活習慣
頻繁な間食
食事や間食のたびに口腔内は酸性に傾き、脱灰が起こります。
砂糖を含むお菓子やジュースを頻繁に摂取する習慣がある方は、脱灰が優位になりやすく、再石灰化が追いつかない状態になります。
ダラダラ食い
食事に長時間かけたり、飴やガムを長時間口に入れ続けたりする習慣も、再石灰化を妨げます。
常に何かを口にしている状態では、口腔内が酸性に傾いた状態のままになりやすく、脱灰が継続的に進行します。
酸性飲料の頻繁な摂取
炭酸飲料、スポーツドリンク、ジュース、エナジードリンクなどの酸性飲料を頻繁に摂取する習慣は、再石灰化を妨げる大きな要因です。
これらの飲み物は糖分が多いだけでなく、酸性度が高いため、脱灰が進行しやすくなります。
就寝前の飲食習慣
睡眠中は唾液の分泌量が大幅に減少するため、再石灰化がほとんど起こりません。
そのため就寝前に糖分を摂取すると、その糖分が朝まで口腔内に残り、細菌が酸を産生し続けることになります。
喫煙習慣
タバコの成分は唾液の分泌を抑制し、唾液の質も低下させます。
また、タバコのタールが歯の表面に付着することで、歯垢が付きやすくなります。
これらの要因により、再石灰化が進みにくくなります。
再石灰化が起こりにくい体質的特徴
加齢による影響
年齢を重ねると、唾液腺の機能が低下し、唾液の分泌量が減少します。
また、加齢に伴って服用する薬が増えることで、副作用として口腔乾燥が起こることもあります。
薬の副作用
抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、降圧薬、利尿薬などをはじめとする多くの薬には副作用として口腔乾燥があります。
薬の服用を中止することは難しいため、水分をこまめに摂取したり、唾液分泌を促す対策を講じたりすることが重要です。
ストレスと自律神経の乱れ
強いストレスや自律神経の乱れは、唾液分泌を妨げるリスクがあります。
また、ストレスによって食生活が乱れたり、歯ぎしりや食いしばりが増えたりすることも、口腔環境の悪化につながります。
再石灰化を促進するための対策
唾液分泌を促す
よく噛んで食事をすることが、唾液分泌を増やすための基本です。
咀嚼回数が多いほど唾液腺が刺激され、唾液の分泌が促進されます。
また、キシリトールガムを噛むことも唾液分泌や虫歯菌の活動抑制につながります。
そのほか、こまめな水分補給も、唾液分泌を維持するために重要です。
食生活を改善する
間食を減らし、食事の回数を決めることで、口腔内が酸性に晒される時間を減らすことができます。
また、野菜や果物、乳製品など、カルシウムやビタミンを多く含む食品を摂取することで、歯の健康を維持しやすくなります。
口呼吸をやめる
口呼吸は口腔内の乾燥を招き、再石灰化を妨げます。
鼻づまりが原因となっている場合は耳鼻咽喉科での治療を検討する、癖になっている場合は口呼吸を防ぐテープを使うなど、対策を講じるようにしましょう。
生活習慣を見直す
規則正しい生活リズムを保つことは、唾液の分泌リズムを整えるために重要です。
十分な睡眠を取り、ストレスをためないようにすることで、自律神経のバランスが保たれ、唾液分泌も正常に機能します。
禁煙や節酒も、口腔環境の改善につながります。
歯科医院でできる再石灰化促進のための処置
プロフェッショナルクリーニング
歯科医院のプロフェッショナルクリーニングでは、自分では除去できない歯石や歯垢を専用の器具で取り除き、歯の表面を滑らかに磨くことで、歯垢が付きにくい状態を作ることができます。
唾液検査
唾液検査を行うことで、唾液の分泌量や緩衝能、虫歯菌の数などを調べることができます。
唾液の質や量に問題がある場合は、それに応じた対策を講じることで、再石灰化を促進することができます。
まとめ
唾液分泌量が少ない、口腔内が酸性に傾きやすい、歯垢が蓄積しているといった口内環境の問題や、生活習慣の問題があると、再石灰化は起こりにくくなります。
再石灰化を促進するためには、唾液分泌を増やすこと、食生活を改善すること、正しいセルフケアに努めることが重要です。
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