自家歯牙移植
- 異物反応が出ないため、アレルギーなどのリスクがない
- 歯根膜を一緒に移植できるため、普通の歯と同じように違和感なく使える
- 治療できる条件がかぎられる
- 外科手術が必要
- 根の治療(神経の治療)が必要となる
- 一般的にはインプラントと比べると成功率が劣る(約50%と言われている。※着床しない場合もある)。(特に高齢者の場合は成功率が低くなると言われている)
自家歯牙移植とは、失った歯のところに自分の親知らずなどを抜歯して移植する方法です。自分の歯を活用するといった点で、人工歯を入れる入れ歯やブリッジ、インプラントとは異なります。
治療自体は、適応症例も限られ難易度も高く、インプラントと比べると成功率が落ちると言われておりますが、自分の歯を移植するわけですので異物反応が起きにくく、普通の歯と同じように違和感なく使えるというメリットがあります。
条件によっては保険の適用もできますので、歯を失ってしまった場合は検討したい治療法の一つです。
自家歯牙移植のメリット・デメリット
メリット
デメリット
成功のポイント
自家歯牙移植の成功率は、その適応症例や術式、術後の管理などによって大きく違ってきます。
主に、術者側の知識や技術に大きく左右されますので、きちんとした知識と実績のある歯科医師に診てもらうことが大切です。
移植する歯を傷つけずに抜歯する
移植を成功させるには、移植する歯に「歯根膜」がしっかりと付着した状態で取り出してあげる必要があります。
この歯根膜はとても繊細で傷つきやすく、少しの刺激ですぐに剥がれ落ちてしまうため、移植する歯を抜歯するときには細心の注意を払って行う必要があります。
また、歯根膜に傷がついてしまうと移植してもうまく生着しない場合もあるため、移植する歯の形が単純で抜きやすい形態であることも成功の条件になります。
根の先が曲がっていたり、歯根が複数ある歯の場合は移植に適しているとは言えませんので、事前にレントゲンやCTなどで、移植歯の形態をしっかりと確認し、見極めることが大切です。
移植歯を適切なポジションに位置付する
移植の成功には、移植歯の適切な位置づけも大きな要因となります。
移植歯がその場所で再生し機能するように、場合によっては歯の大きさなども調整しながら適正な位置に保定します。
移植歯に強い力がかかったり、グラグラ動かされてしまうと移植歯が生着せず、移植が失敗してしまいますので、約2か月間、しっかりと固定してあげる必要があります。
移植した歯の根管治療
成人の場合、移植した歯は残念ながら神経が死んでしまうため、移植手術後は根の治療が必要となります。
この時に、根の中にある死んでしまった神経をしっかりと除去しておかないと、根の先に膿が溜まったり、痛みが出て再治療が必要になってしまいます。
せっかく取り戻した歯をより永く使うためにも、歯牙移植を検討される際は、移植手術の実績の豊富さだけではなく、精密な根管治療を実施している歯科医院にて相談されることをおススメいたします。
当院では、マイクロスコープを使用した精度の高い根管治療を行っております。
→根管治療について